カオス的忘年会2011○いつものバーにて
他の客は誰もいない(マスターの配慮) 中央のテーブルを堂々と陣取っている4人
レマ 「……グラス、回ったわね?」 シェリー「おー!」 D 「こっちもいいぜ」 刹那 「……大丈夫だ」 レマ 「じゃあ、今日は忘年会って事で」
全員 「乾杯っ!!」
シェリー「待ってましたの忘年会っ! 今年は2人増えたしね♪」 D 「そりゃお互い様だっての」 レマ 「こういうのはやっぱり人数が多い方が楽しいわよね」 刹那 「それは否定しない」 D 「そういや料理頼んだか?」 レマ 「ええ、さっきたっぷりと頼ませて頂いたわ」 刹那 「……食べきれる量なんだろうな」 D 「ま、ここに食いしん坊のガキがいるしな、平気なんじゃねぇか?」 シェリー「……Dぃ? それってあたしの事かなぁ……? こんのぉ!」
シェリーがDの襟首を掴んでぐらぐらと揺らす
D 「ぐわっ! おい、こら揺らすな……酒! 酒溢すだろーがっ!」 シェリー「誰が、ガキなのよ! あたしだって20歳は過ぎてる、はずなんだからねっ!」 D 「わーった! わーったから離せ! ……ホントに溢しちまう……!」 シェリー「感情がこもってなーーいっ!!」
Dの言葉を無視して暴れ続けるシェリー 2人で取っ組み合いをはじめる
刹那 「(一口飲んで)自業自得だな、D」 レマ 「ふふふっ……見てて楽しいからいいじゃない。それと……この後来る料理、刹那の仕業よね?」 刹那 「……さすがレマだ」 レマ 「ありがとう」 刹那 「……ああした姿のシェリーを見ると……安心するというか、ほっとする」 レマ 「そう……」 刹那 「それに、きっとDが罪をかぶってくれると思ってたから」 レマ 「ふふ、悪い子……あら、噂をすれば来たみたいよ、料理」 刹那 「あ……マスター、今その料理を出すのは……って、ダメだ。マスターも笑ってる……」 レマ 「絶妙なタイミングね。ナイスだわ、マスター」 刹那 「いや、さすがに今出すのはDが……」
テーブルにトマト料理が置かれる
シェリー「っ!!!! トマト……料理……!? ……ちょっと! これもDの仕業!?」 D 「違ぇ! (更に襟首掴まれて)だから……違うっつってんだろーがっ!」 シェリー「この、江戸っ子親父めぇ……!!」 D 「まだ、親父、じゃねー……おい! レマも刹那も、み……見てないでコイツどうにか……ぐるしっ……!」
締め上げられているD
刹那 「……はぁ……(歩み寄って)シェリー。ほら、そろそろ離してあげてやってくれ。死ぬ」 D 「ぐっ……あ゛ー……」 シェリー「むぅ…………!」 D 「げほっ、ごほっ……刹那……後、頼む」 刹那 「ふっ……喜んで。はい、シェリー、膨れっ面もかわいいけど、そろそろ笑ってよ」 シェリー「トマト……誰? 頼んだの」 刹那 「レマだよ。すぐ食べてくれるんじゃないかな」 シェリー「レマ……か。……」 刹那 「また膨れっ面。こっち向いて」 シェリー「えっ……と……」 刹那 「俺の事、見て……シェリー」 シェリー「ん…………(見つめあいの状態に恥ずかしくなってくる)」 刹那 「ふふ、真っ赤でかわいい君の顔に、乾杯」 シェリー「……か、かん……ぱい」 レマ 「(独り言)さすが刹那ね。料理も私のせいにして……」 D 「……あー……ひでぇ目にあった……」 レマ 「お帰りなさい。どう、家の子かわいいでしょ?」 D 「あの馬鹿力のどこがだよ」 レマ 「結構楽しんでる癖に」 D 「レマにやったって意味ねぇだろうが」 レマ 「あら、それじゃあ私と一緒に飲んでもつまらない?」 D 「……言わせてぇのか?」 レマ 「ふふっ……さぁ?」 D 「ったく、食えない女だぜ……」 レマ 「そっちだって……ほら、追加のお酒、頼んでおいたから飲みましょう」 レマ 「それとも、やっぱり私が相手じゃご不満?」 D 「だから、言わせたいのかよ」 レマ 「……どう思う?」 D 「……」 レマ 「……」 シェリー「早く言っちゃえ、D!(遠くで小声の声援)」 刹那 「今年最後、決めてくれよ……!(遠くで小声の声援)」 レマ 「…………D?」 D 「…………お前と飲む酒が、一番上手い」 レマ 「……」
D 「乾杯」 レマ 「……乾杯」
(END…)
(*この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません) |