【第2章】 『池袋から今日和』 (池袋サンシャインDAY・1)
○豊島区長の講演※ネオサンシャインシティの計画についての演説
講演風景。人のザワメキやカメラのシャッターなど
豊島区長「池袋は今日(こんにち)、副都心という位置に甘んじております。時代の流れとは早いもので、かつてサンシャイン60も東洋一高いビルと呼ばれた時代がありました。私はもう一度、池袋に東洋一と呼べるものを作りたい。私は、ここにお集まりいただいた同じ志を持つ投資家の皆さんと共に、サンシャインシティの拡大計画を宣言いたします。池袋は…ネオサンシャインシティは生まれ変わり、日本の中心として再び輝きを取り戻すのです。」
人々の拍手
※途中からビル風とアルテミスの歌にクロスフェード
○池袋サンシャインアルテミス時計台(夜)
※歌を歌うアルテミス。武が歩み寄る。 ビル風が吹く時計台。アルテミスが歌を歌う。
アルテミスの声「歌を歌っていた。それが私の仕事。サンシャインシティと呼ばれるこの場所で。時計台と呼ばれるこの場所で。決まった時間に変わりなく、たくさんの人間たちに時間を教えるのが私の仕事。私の仕事は『時報』と言うそうだ」
歌を歌うアルテミス
アルテミスの声「この街は好き。眼下を見渡す町並み、人の群れ。たくさんの人たちが生きていて、たくさんの人たちが生きている音が聞こえる。夜の街。散りばめられた灯りはまるで宝石のよう。人の息吹を伴奏に、街の灯りをステージに、私は歌う、たくさんの人たちのもとへ歌が届くように」
歌を歌うアルテミス。武の足音
武「やぁ、はじめまして。時計台の歌姫『アルテミス』」 アルテミスの声「(不思議そうに)あなたは、だぁれ? こんな夜更けに、どうしたの?」 武「どうしたの? って聞かれても。君に用事があるから来たんだよ? 仕事中、悪いね。少し僕の話を聞いてくれないかい?」 アルテミスの声「(驚いて)あなた、私の声が聴こえるの? 機械の私の声が?人間なのに? どうして?」 武「なあに、些細なことさ。これだけたくさんの人がいるんだ。その中で一人くらい不思議な力を持っていてもおかしくないだろう?」 アルテミスの声「そうね、そうかもしれないね。でも嬉しいな、私と話が出来る人間がいるなんて。それで、話ってなあに?」 武「実は、アルテミス。君に手伝ってもらいたいことがあるんだ。なぁに簡単な…伝言さ」
ポケットから工具を取り出す武
○池袋雑司が谷 寺
※正樹を訪ねる、あんな。 蝉の鳴き声墓場を一人歩く、あんな
あんな「ミンミンゼミ様? 暑中お見舞い申し上げます。お願いだからそんなにがんばらないで?…暑苦しいので…かしこ」
蝉の鳴き声
あんな「ああ…暑い。ていうかここどこよ?墓場?なんで東京の真ん中にお寺があるの?…東京、池袋って聞いてたから、もっと人がいっぱいいて賑やかなイメージだったけど、一本道を入ったら、なによ、こんな田舎のような町並み。ほんとに池袋?…(遠くを見て)あれ? サンシャインタワーよね? じゃあ池袋か…ああ、もう!」
ドカと座る、あんな
あんな「お腹すいたなぁ……(首を振って)ああ、だめよ、あんな。今一瞬お供えもののおはぎを見たでしょう? それはダメ、絶対にダメ!お腹が壊れる以前に人として何かが壊れるからだめよ、あんな。それは人として最後の防衛ラインなのよ」
蝉の鳴き声
あんな「蝉ぃー! うるさい蝉ぃー! 食っちまうぞおー?…はぁ…。道を聞こうにも墓石か地蔵様しかないし…いっそ幽霊にでも道を聞いてみる? なんてね」 正樹「迷子はいねーがー?」
ズザザと身を屈める、あんな
あんな「…ぎゃー、出たー!」 正樹「迷子はいねーがー? 墓場に腰を下ろす罰当たりな迷子はいねーがー?…一瞬お供えものを食べようと思った迷子はいねーがー? そんな悪い子はオラがくっちまうぞぉ?」 あんな「きゃー! ほほほ、ほんの出来心なんです!だから私を食べないでー!」 正樹「…はは、あははは。あんな、俺だよ、俺。顔を上げて、みそ?」 あんな「…え…、あ…あ! ま、正樹先輩!? 先輩!」 正樹「いつまでたっても来ないから、迷ってるんじゃないかと迎えに来たぞ」 あんな「…た、たすかったぁ」
○時計屋
※店に戻る正樹。石本組が依頼に来る。 引き戸を開けるたくさんの時計の針の音が聴こえる
正樹「ようこそ、我が城へ」 あんな「(店内を見渡して)わぁあ、時計がいっぱい…」 正樹「そら、時計屋だからな(笑)そこ座っといで。今麦茶でも持ってくるから」 あんな「…」 正樹「ああ、気が利かなかった。お中元の羊羹ぐらいしかないが腹の足しになるかね?」 あんな「(嬉々として)はぁい、ごちになりまーす!」
引き戸を開け奥に行く正樹たくさんの時計の針の音が聴こえる
あんな「チックタックチックタックチックタック」 鳩時計「ポッポー♪ポッポー♪」 あんな「(喜んで)おー! ポッポー! ポッポー!」
あんなの拍手引き戸を開け、麦茶と羊羹を持って来る正樹
正樹「おいおい、高校1年になって『ポッポー』はないだろ(笑)」 あんな「いいんです、感受性が良いほうが人生楽しく生きられますから。それに高校2年生ですよ。17歳です」 正樹「そうか、もう17歳だっけか…時が経つのは早いもんだ」
たくさんの時計の針の音が聴こえる
あんな「時計っていいですね」 正樹「ん?」 あんな「いつまでも変わらず、規則的に時間を刻んでくれる。嬉しいときも、悲しいときも、いつも平等に、カチコチと」 正樹「良いことだけじゃないさ。休まず延々と時間を刻んでるんだ。いつかは歯車は磨り減りくたびれて、針が狂っちまう」 あんな「でも、それを直すが先輩の仕事ですよね? 素敵だと思いますよ」 正樹「そうか? そう言ってくれると嬉しいね。…ふふふ(ふくみ笑い)、それだけ仕事に理解があるということは、まかせていいよな?」 あんな「…え? 何をですか?」 正樹「店番」 あんな「えええ!? 私、働くの?」 正樹「当たり前だ、働かざるもの食うべからず!ただで家に居候させるもんかい。…まぁ、バイト代は出すよ、時給500円+出来高」 あんな「んな!500円!?や、安すぎです!それならコンビニかファミレスで働いたほうがずっと…って、え?出来高って?」 正樹「仕事はいたって簡単。店番さえして、時折やってくる依頼主の応対をするだけさ」 あんな「応対?」 正樹「まぁ、うちはただの時計屋なんだけどね。たまぁに特別なお客さんが来るんだ」 あんな「特別なって…そうか…池袋ですもんね!?…まさか、撮影ものですか? 純情可憐な女子高生のけなげに働く姿を、カメラで抑えたり…あ、待って、そういえばテレビで見たことがあります。見ず知らずの人から極悪な通話料の電話がかかって来て、他愛もない話をして引き伸ばすという仕事?…うそ!? できないですよ!?私みたいな田舎育ちの女子高生にそんな器用こと!」 正樹「馬鹿もん。ドキュメンタリーものの見すぎだ。違う違う、特別なお客さんっていうのは…」
店の外に車が止まる音。
正樹「…おや、ちょうど特別なお客さんが来たかな?」
引き戸が開いて、男が入ってくる
アルマーニ「そいやー!先生!また、ひとつ仕事をお願いできますかい?」
正樹「どうした? 石本組の若いの。たしか…アルマーニ!」 あんな「組!?何組!?」 アルマーニ「先生、アルマーニはよしてくだせえ(笑)」 正樹「そんな立派なアルマーニを着てアルマーニと呼ばずなんと呼ぶ? まぁたおニューを買いやがったな、おまえ?」 アルマーニ「へへ、いいでしょう?秋冬の新作なんすよ、これ?」 正樹「まったく、この暑いなか、よぉ着込むことで」 アルマーニ「それはお互い様でしょう。この暑い中、着物を着込んでる先生に言われたくないなぁ(笑)。それに、こいつは俺らの制服みたいなもんすからね。ビシッと決めねえと!」 正樹「おいおい、服の自慢をしにきたんかい? アルマーニよ?」 アルマーニ「おっと、いけね。…いや、時計の調子がおかしいんで。こりゃもしやヤバイもんではと若頭がおっしゃるんですわ。だから先生になんとかしてもらえと」 あんな「ヤバイ??時計?」 正樹「わかった。伺おう。ちょうどいい、あんな、付いてきな。早いうちに慣れたほうがいいしな」 あんな「ちょ、ちょちょ、うは、なんか不安なんですけど」 アルマーニ「ささ、先生、外に車を待たせてますんで。お急ぎ下さい」
引き戸を開けるアルマーニ。出迎える数人のスーツ姿の男と黒塗りのベンツ
構成員達「そいやー! 先生、乗ってくだせえ!」 あんな「きゃー!?、黒塗りベンツ〜!」
○石本組 庭
黒塗りのベンツが止まる。構成員達のざわめき。 玄関を目指す正樹とあんな。
構成員1「あん? この娘なにもんだ?」 構成員2「ここいらじゃ見ねえ顔だなぁ。…ほう? よぉ見ると童顔だけどべっぴんじゃねえか?」 構成員3「おほっ!おう姉ちゃん、ちょっと小遣い稼ぎしてみないかい?なぁに悪いようにはしねえさ!」 あんな「ひい、あの私は、店番の仕事が、店番が、500円が!あの、あの!」 正樹「そんなに怯えなさんな。口は悪いが根は良いやつらさ。ほいほい、通しておくれ」 アルマーニ「おめえら、こちら先生のお連れさまだ!道を開けねえか!」 構成員達「そいやー! お通りくだせえ、お嬢さん!」 正樹「うんうん、部下の躾が良いね、さすがアルマーニ」 アルマーニ「へぇ、恐縮っす!」 あんな「…先輩、先輩って…何者?」
○石本組若頭の部屋
※時計の修理。正樹の仕事(裏)
正樹「失礼します」 石本「おう、入ってくだせえ」
ふすまを開ける正樹
正樹「どうも、時計屋です」 石本「やあ、これは先生。お忙しいところすまないね。…おや?そっちの娘さんは?」 正樹「まぁ、助手といったところで」 石本「今度の助手は、ずいぶんと若いんですね。どういったご関係で」 正樹「親友の妹でね。身寄りがなくて、とりあえず預かってまして、それで?ヤバイ時計ってのはどれだい?」
置時計を置く石本
石本「これですわ。ある筋から譲り受けたアンティークものなんですがね」 正樹「ほいほい。では失礼して」
時計をいじる正樹
石本「明治時代初期のドイツ製のものらしいんですがね。あの年代のものにしてはどうにも歯車の音がおかしいんですわ。こりゃ用心に越したことはないと思いやして」 正樹「恨みを買うのがあんたらの仕事だからな。それに…いやいや、さすが若頭、そっちの方では良い目利きをしてる。仕込んであるな、時限式だ」 石本「あちゃー…やっぱりかぁ、まいったなぁ」 あんな「…仕込んである? 何を?」 正樹「(棒読み)何って? 爆弾(はぁと)」 あんな「ばばばばば、爆弾!?」 正樹「解体するのも面倒だ。神田川にでも持ってって爆発させた方が安くすむぜ?」 石本「馬鹿言っちゃいけない、川にゴミを捨てるなんてもってのほかだ!『地域密着』がモットーの石本組の名がすたる!」 正樹「じゃあ、解体で?」 石本「解体じゃない、修理だ。元通りに頼んますよ、先生?(ニヤリ)」 正樹「へい、毎度あり。だそうだ、あんな」 あんな「…え?」 正樹「+出来高の仕事だよ」
(以下、中川正樹、サービスシーン)
正樹「そう…初めて会ったときから目を付けていたんだよ…あんな」 あんな「目を付けてって…せ、先輩…顔、顔が近くないですか?…恥ずかしいです」 正樹「ダメだよ、あんな。目をそらさないで? もっと…良く見せておくれ…きみの…その体を」 あんな「体って…こんなところに連れてきて…プラス出来高の仕事って…やっぱり、そういうことだったんですね…。ひどい、騙したんですね…先輩…。やっ、顔を近づけないで…息が…かかって、くすぐったいです…離れてください」 正樹「綺麗な足だね、スベスベして柔らかそうだ」 あんな「ちょ、どこ見てるんですか? は、恥ずかしい…みないで!」 正樹「つれないことを言うなよ、あんな。いっしょにしようよ? ねえ、あんな? 俺とじゃ? いやかい?」 あんな「…先輩のいじわる…。いやじゃない…いやじゃないけど…いまはダメ…心の準備が…もう少し待って…」 正樹「あんな…俺は待てないよ、いくよ、あんな」 あんな「…だ、だめ、まっ、先輩、先輩!!」
(中川正樹サービスシーン終了)
正樹「なんせ、時限式なもんでねっ、さっさと仕事しないどぉ…っこいしょっと」
トンと置時計を、あんなの膝の上に置く正樹
あんな「…え? はい?…きゃー!! 爆弾が!? 爆弾が私の膝の上にー!!」 正樹「はい、暴れない。暴れると衝撃で爆発しちゃうよ? 作業中の振動を抑えるクッションが必要なわけで、あんなのムッチリ太ももは出番だね?」 あんな「やー!?私そんなに太ってなー!爆弾!爆弾がー膝の上ー!なにこの江戸時代の拷問みたいなしちゅえーしょーん!?」 正樹「爆弾を膝枕するなんてオツなもんじゃないか、あははー…ちょいちょいっと(爆弾をいじる)」 あんな「せんぱい…楽しんでますね…いじわる…」
時計のフタを開ける正樹
正樹「ほい開いた。…おいおいこりゃ火薬の羽振りが良すぎないかい?雑司が谷から石本の屋敷が無くなるとこだった…」 石本「ほぉ、こいつは…手の込んでそうな…。裏でもここいらじゃあ見たことねぇな…プロの仕業か?」
時計を直す(爆弾を解体する)正樹
あんな「…わた、わたし、膝枕、爆弾、ひざ、ひざまくら…目の前、まっくら…あう、あうう」 時計の声「…ンタグ?」 あんなの声「…え?」 時計の声「グーテンタグ?(こんにちわ)」 あんなの声「…だれ? だれの声? これ?」 時計の声「グーテンタグ?(こんにちわ)」 あんなの声「時計…さん…?」 時計の声「…イングリッシュ、オーケー?(英語ならいいかい?)」 あんなの声「え、あ、えっと、い、いえすいえす…すこし?」
直す手を止める正樹
石本「どうなさって? 先生?」 正樹「こいつは…本当に手の込んだ…この技は…まるで…」 石本「先生…先生? 大丈夫ですかい?」 正樹「(石本に気づき)え? ああ、いや。やっかいだな。奥のほうで右と左のリードが入れ替わってる。たぶん右のリードを切るのが正しいと思うが…これは…」 あんな「…右…だと、思う」 石本「は?」 あんな「…右であってると思う…」 正樹「あんな、どうしてそう思う?」 あんな「…」 正樹「あんな?」 あんな「思うっていうか…右のこめかみ?の辺りが痛いって…時計さんが言ってるような気がして?…えっと、ライトって右でいいんだっけ?あの…」 石本「お嬢さん、冗談はよしなせえ。何を馬鹿なことを言って…」 正樹「時計が右と言ったんだな?了解」 石本「ちょっ、せんせ、あっ!」
ニッパーでコードを切る正樹時計の針が鳴り始める
正樹「はい、終了。終わりましたぜ、若頭」 石本「…(胸を撫で下ろして)…ふう、ちょっと、先生。冗談は止めてくだせえ。心臓が止まるかと思った。もともと右のコードってわかっててやったんでしょう?」 正樹「あはは、驚きました? いら、すんません。あんまり楽勝だったんで、ちょっとお茶目しちゃいました」
時計の音
石本「…ああ、そうだそうだ、この音だ。流石ドイツもの。音が違うわ。やるねえ先生」 正樹「いえいえ。腫れ物も取れて時計さんも喜んでるようで」 石本「まったくだ。まるで時計が『ありがとう』と言っているようだな」
時計の音
あんな「(膝の上の時計を見下ろし)…ダ、ダンケ、シェーン」
○雑司が谷路地(夕)
ひぐらしが鳴く雑司が谷の路地を歩く正樹とあんな。 祭りの季節であり、神輿が通りすぎる『そいや、そいや、そいや』
正樹「すっかり長居しちまったな…。石本のやつ、アンティークと雑司が谷のことになると延々と話が長くなるんだ、困ったもんだ」 あんな「…ひどいです、ほんと…ひどいです」 正樹「だろ?…まぁ、ガラは悪いけど気の良い連中さ、そのうち慣れる」 あんな「違います、ひどいのは先輩です!プラスαの仕事ってどんだけプラスなんですか!? αどころかγ(がんま)っていうかΖ(ぜーた)ですよ! これじゃあ、しけた時計屋の店番時給500円のほうがオマケのプラスαじゃないですか!」 正樹「あんな…いま、さらっと、うちの店をしけたとか言ったように聞こえたが?(汗)」 あんな「先輩はそういう人でした! 忘れてました! 私をほったらかして、いつもお兄ちゃんとつるんでて、用があるときだけ来るのが当たり前のように呼んで、呼ばれたら呼ばれたで馬鹿騒ぎに巻き込まれて!説明もなし!7年振りに会えたと思ったら爆弾処理ですか!? いい加減にしろ馬鹿ー!」
正樹の胸をグーで殴るあんな
正樹「いたいたいたいた! わっ、悪かった、あんな! がはっ、いいパンチ持ってやが…俺もいろいろあったんだって! 時計屋だけじゃ食っていけないし、かといって、あんなを引き取らないわけにはいかないし」 あんな「(殴るのをやめて)…それでも大事なことは説明してくれないんですね」 正樹「…ん」 あんな「………私のこと、試しましたね?」 正樹「…」 あんな「…先輩は本当のことを言ってない。お兄ちゃんはどこに行ったんですか?…先輩は何を考えてるんですか?教えてください」 正樹「…」 あんな「…」 正樹「…焼き鳥」 あんな「…え?」 正樹「焼き鳥食いてぇなぁって考えてた。俺の知り合いがやってる店がこの近くにあって、この辺じゃ一番の店で…まぁ、マスターがちょっと、あれなんだけど」 あんな「…」 正樹「…」 あんな「(話題を切り替えようと)そうですね!! お腹好きましたね!! その焼き鳥屋さんほんとにおいしいんですか?」 正樹「もっちろん、☆みっつだ。味だけは保障する!」 あんな「もうみっつでもよっつでもいいです! お腹の時計が鳴りまくりです。行きましょー!」
あんなのN「7年振り会った先輩は、変わってなかった。下手なウソは『聞くな』のサイン。欠けた歯車はみつからない…時計の針は、まだ、動かない」
○サンシャインシティ乙女ロード(夕)
街を歩くたくさんの乙女たち。 街角に立つ、つくね。ささみが駆け寄り。
ささみ「ごめーん、お待たせー」 つくね「もう、遅いよぉ?」 ささみ「ごめんごめん!次のイベント用のネーム切りに手間取っちゃって。あと本屋で山口先生の新刊が…さらに偶然サイン会が…もごもご」 つくね「はいはい。早く行こ?バイト遅刻するよ?」 ささみ「大丈夫大丈夫、まだ…5時前…あれ?…そういえば、今日は時報の歌が聞こえなくない?」
○サンシャインシティの地下通路(夜)
助けを求め、地下通路を歩くアルテミス。かつんかつん。
アルテミスの声「苦しい…。胸が…苦しいの…。助けて…お父さん」
(To be Continued…)
(*この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などにはいっさい関係ありません) |
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